はじめに
「薬剤師の転職は売り手市場だから安心」と耳にすることは多いですが、本当にそうでしょうか?
確かに薬剤師の有効求人倍率は他の職種に比べて高く、求人は多い状況です。しかし、地域・年齢・経験によっては「希望通りの条件が通らない」ケースも増えてきています。
薬剤師数は、とんでもない数の大学と安定した職種ということから増え続けています。
しかし、それに反するように薬局やドラッグストアの調剤併設はめっきり減ってきているのです。
果たして、本当に薬剤は売り手市場と呼べるのでしょうか?
この記事では、薬剤師の転職市場が本当に売り手市場なのかをデータや現場の声から検証し、今後の動向も含めて解説します。
売り手市場に飛び込んで行きたい方は、ぜひ下記の記事を読んでみてください。
自分をアピールする、よりよい転職先を選択する方法を書いています。

薬剤師市場が売り手市場と言われる理由
薬剤師が売り手市場とされる背景には以下の要因があります。
- 薬剤師不足が続いている
特に地方や病院勤務では人手不足が深刻。一人薬剤師で無理に営業している所も - 調剤薬局・ドラッグストアの増加
薬剤師の需要は実は増えています。ただ、経験の差によって需要に差がでている面も - 資格職の強み
国家資格を持っているため、一定の需要は安定している。
👉 求人倍率で見ると、薬剤師は「1人に対して複数の求人がある」状態が続いています。
都市部と地方の違い
- 都市部:求人数は多いが応募者も多く、条件競争が激しい。希望通りの勤務先を選べないことも。
- 地方:人材不足が深刻なため高待遇の求人が多い。ただし生活環境の制約がある。
都市部でも競争を勝ち抜くためには、付加価値が必要になってきます。
自身の経験や、立ち振る舞いがカギになります。
地方では、一人薬剤師が求められる代わりにかなりの好待遇なことが多いです。
そこで経験を積むことで、市場価値を上げて、都市部に移ることも可能です。
👉 「どこでも売り手市場」というわけではなく、地域によって実情は大きく異なります。
年齢・経験による違い
- 20〜30代前半:若手は需要が高く、売り手市場と言いやすい。
- 40代以降:管理職経験や専門性があれば強みになるが、一般職だと選択肢が狭まる。
- ブランクあり:復職支援の求人もあるが、都市部では競争が厳しい。
👉 売り手市場の恩恵を受けやすいのは「若手〜中堅の薬剤師」な事実があります。
しかし、40代以上であっても、今までの経験や携わってきた仕事を評価されるようなら、まだ売り手市場に乗り込んでいけると思います。大事なのは、自分をアピールする能力です。
売り手市場の落とし穴
「求人が多い=希望条件が通る」とは限りません。
- 高給与求人は激務の場合が多い
- 希望条件を細かく指定すると選択肢が減る
- エージェントによっては求人が偏る
- 好条件に見せかけている求人がある
👉 数字上は売り手市場でも、実際には「ミスマッチ」が起こりやすいのです。
つまり、重要なことは、沢山の選択肢をもって挑戦することです。
希望条件を諦められない。偏った紹介で間違った就職をしたくない方はぜひ、下記の記事を参考に挑戦してみてください。

今後の薬剤師需要の見通し
- 高齢化社会:在宅医療や地域医療で薬剤師の需要は継続。
- AI・電子処方箋の普及:単純な調剤業務は減る可能性がある。
- 人口減少:長期的には薬剤師数が需要を上回るリスクも。
👉 今後は「ただの薬剤師」ではなく、専門性や地域貢献のスキルが求められるようになります。
昨今の調剤報酬改定を見ても、明らかに対物業務への評価から対人業務への評価に移ってきています。
単純作業ではなく、いかに患者相手に能力を発揮できたのか、が自分の市場価値を上げる方法だと感じます。
まとめ
薬剤師の転職市場は確かに売り手市場ですが、条件次第では必ずしも有利とは言えません。
- 地域や年齢によって差がある
- 求人の多さ=希望通りの働き方ではない
- 今後はスキルや専門性が重要になる
👉 「売り手市場だから大丈夫」と安心するのではなく、冷静に情報収集して転職活動を進めることが大切です。
まだまだ、市場としては薬剤師を必要としています。
ただ、誰でも必要とされているわけではないのも事実です。
今の薬剤師の価値とは何なのか把握し、自分の価値を上げることが好条件に至る方法だと考えます。

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