薬剤師の勤務先として人気が高い「ドラッグストア」。
調剤併設店も増えており、求人も豊富で年収も比較的高めです。
私は、年収が100万以上増えるという理由から、調剤薬局を辞め、ドラッグストアに転職しました。
しかしその一方で、実際に働いてみると「想像と違った」「長くは続けられない」と感じる薬剤師も少なくありません。
私が働いていた職場でも、「終身雇用、一生ここにいる」と言っていたスタッフもいれば、
「ここでずっとは無理。もう次の職場を考えてる。」というスタッフがいて、完全に二極されてました。
理由ははっきりと、
ドラッグストアのメリットを、メリットとして感じるか否かです。
私自身もドラッグストア薬剤師として勤務したのち、転職を決断しました。
本記事ではその経験をもとに、ドラッグストア薬剤師を辞めた理由と、転職して感じたメリット・デメリットを正直にお伝えします。
もし少しでも転職を考えているという方がいらっしゃれば、
私がお勧めしている下記の方法で、好待遇を目指して頑張ってみてください。
面接対策まで記載しているので何かの役に立つと信じています。

ドラッグストア薬剤師を辞めた3つの理由
1. 調剤業務よりも販売・接客業務が多かった
ドラッグストアは「調剤薬局」と「小売店」の両方の顔を持っています。
私が勤務していた店舗では、調剤よりも売り場業務やレジ対応、在庫管理の比率が高く、薬剤師としての専門性を十分に発揮できないと感じることが増えました。
患者さんに向き合うよりも「売り場の売上目標を意識する毎日」に違和感を覚えたのが、辞めたいと思った最初の理由です。
数字のために、独自で配合した栄養剤をお客さんに勧めたり、推しの商品を抱えてポップ作成をしていたりの業務も合う合わないがあると思います。
ただ、自力でおススメした商品がお客さんに合っていて、感謝される機会もあったので、全てが悪いということはないと思います。
2. 勤務時間が不規則で生活リズムが崩れた
ドラッグストアはシフト制のため、早番・遅番・休日出勤が当たり前です。
特に遅番では22時近くまで勤務する店舗もあります。
「夜遅くまで働いて、次の日の朝からまた勤務」という日も多く、プライベートの時間が確保しにくい場合もあります。
ただ、これはあくまでも配属先によって変わってきます。
夜間は薬剤師は常駐せず、昼間の勤務だけの職場もあると思います。
しかし、競合他社と差別化を図る目的で、
夜間に薬剤師を設置して、1類医薬品をいつでも販売できるようにする。
という手法が増えてきているので、要注意です。
3. キャリアの将来像が描きにくかった
ドラッグストアでは、薬剤師としてのキャリアパスが限られています。
- 店舗の管理薬剤師になる
- エリアマネージャーや本部勤務を目指す
- エリア職として数年に1回転勤族になる
といった道はありますが、臨床経験を積むことや専門薬剤師を目指すことが難しい環境でした。
将来的にスキルを磨きたい人にとっては物足りない感は否めないです。
ドラッグストアに就職する、ということは、
OTCでの専門性を高めていく
という面が出てきます。
おのずと、循環器領域の最新の薬の知識に追いつかないなどの問題が出てきます。
専門知識を高めていくのが薬剤師、と考えるのか、
患者、お客さんの健康意識の改善を目的とするのが薬剤師だ、と考えるかで変わってくる部分だと感じます。
転職して感じたメリット
1. 専門性を活かした調剤業務に集中できる
調剤薬局への転職後は、調剤・服薬指導・医師や看護師との連携といった薬剤師本来の業務に集中できるようになりました。
「薬の専門家として必要とされている」と実感でき、仕事のやりがいが大きくなりました。
ドラッグストアでも、調剤併設が当たり前になってきているので、この部分はドラッグストア勤務でも成しえることはできると思います。
ただ、どうしても店舗の売り上げやOTC領域とは切っても切れないので、
その部分と並行する難しさはあると感じます。
2. 生活リズムが安定した
転職先では基本的に日勤で、夜遅くまで働くことがなくなりました。
休日もカレンダー通りで、家族や友人との時間を確保しやすくなったのは大きなメリットです。
勤務先によってここも様々だとは思います。
直近のドラッグストアの流行りとしては、夜間の対応になってくるので、
ここは慎重に判断した方が良いかなと感じます。
3. キャリアの選択肢が広がった
病院や薬局勤務では学会や研修に参加でき、専門薬剤師資格の取得を目指せる環境が整っています。
ドラッグストア時代には得られなかった「スキルアップの実感」があり、長期的なキャリアを考えるうえで安心感につながりました。
薬剤師として専門性を突き詰めていくのか、国家資格を年収として評価してもらうのかは、個々人で考え方によると思います。
専門性よりも、待遇であると感じるならば、ドラックストアで勤務することは間違いないと思います。
個人的に学ぶ機会があればいいんじゃないかと考えたこともありますが、
やはり、普段の職務で活かす機会がないとなると、なかなか前に進めないのも人間かなと感じました。
転職して感じたデメリット
もちろん、転職によってすべてがプラスになったわけではありません。
デメリットも正直にお伝えします。
1. 年収は下げられないので、転職先が難しかった
ドラッグストア薬剤師は給与水準が比較的高めです。
2度目の転職の際に、エージェントさんが頭を抱えていたのは覚えています。
しかし、私が実践した方法で年収は更に100万以上上げることができたので、再現性はあると思います。
もともと高年収だった方は、同様の職場を探すのに苦労することは間違いないと思います。
経済的な部分では少し我慢して、「やりがいを取るか、収入を取るか」という選択になる人も多いでしょう。
どちらも捨てられない、と感じるならば、ぜひ下記の方法を試してください。

2. 仕事の責任が重くなった
薬剤師は、患者さんの命に直結する業務を担当します。
OTCがお客様に影響する部分よりも、処方薬が影響する部分の方がはるかに責任重大です。
薬剤師たるもの、責任感をもって、ミスなく医療を提供することはもちろんのことですが、
日々の業務にそれが乗っかかっていると感じるのは、調剤薬局や病院薬剤師の方が多いかもしれません。
ただ、ドラックストアでお客さん対応をする、ということは、医師からの指示で動く他業種とは異なり、自分の裁量が大きい部分でもあるので、それをやりがいと感じることもあると思っています。
絆創膏や湿布一つでも、「貴方が勧めてくれた商品が私に合っていた、ありがとう。」と言われたことは一生忘れないと思います。
3. 転職活動そのものが大変だった
ドラッグストア勤務中はシフト制のため、転職活動に使える時間が限られていました。
休日もまばらだったこともあり、なかなか進まなかったこともありました。
先に伝えたように、年収が高かったこともあり、時間を要したことを覚えています。
エージェントとの面談や面接の日程調整に苦労したのは大変でしたが、逆にエージェントを活用することの重要性を実感しました。
これが、全て自力で、となると、ハローワークに行って職場を探して、自分で面接の希望をだして。。。
とてもじゃないけど、社会人にそんな時間はないと思います。
無料で頼ることができるので、自分が働いている裏で自分のために動いてくださることは大変ありがたいことだと感じると思います。
ドラッグストア薬剤師から転職を考えている方へ
私の体験から言えるのは、「辞めたい」と思ったら、その気持ちを無視しない方がいいということです。
- 残業やシフトに疲れている
- 専門性を高めたい
- 将来のキャリアに不安がある
これらに当てはまるなら、まずは情報収集から始めてみるのがおすすめです。
薬剤師専門の転職エージェントを活用すれば、
- ドラッグストアから病院・調剤薬局・企業などへの転職成功事例
- 非公開求人情報
- 履歴書・面接対策のサポート
といった支援を無料で受けられるので安心です。
私がお勧めしている方法だと、まず間違いなく年収や待遇は向上していくと思います。
管理薬剤師として、色々な方を面接するようになったので面接対策まで載せました。
私自身がそれを証明しているので、心配な方はいつでも相談してください。

まとめ
ドラッグストア薬剤師を辞めて転職した理由は、
- 専門性を発揮できない
- シフト制で生活が不規則
- キャリアの将来像が描けない
そして、転職後のメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット
- 調剤業務に集中できる
- 生活リズムが安定
- キャリアの選択肢が広がる
デメリット
- 年収が下がる
- 責任が重くなる
- 転職活動に手間がかかる
転職は簡単な決断ではありませんが、自分の価値観に合った働き方を選ぶことが最も大切です。
重ねてになりますが、
もし転職を考えているならばエージェントさんを頼ってください。
メンタル面でのカウンセリングも行ってくれるので、何か悩みがある方も是非お勧めしております。
皆様が、快く働ける職場に出会えることを願っています。
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